航空分野の機能安全とサイバーセキュリティ
DNVは、様々な分野における機能安全&サイバーセキュリティサービスを提供しており、各分野のスペシャリストが協調してサービス提供することが可能です。
航空分野の機能安全とサイバーセキュリティ
高い安全性と信頼性が求められる航空機- 航空機は大勢の乗客や乗員を輸送するため、万一の事故や故障が起きると多くの人命が失われる可能性があります。そのため、航空機は非常に高い安全性が求められます。高い安全基準を遵守し、信頼性のある設計やシステムを備えることによって、乗客や乗員の命と安全を確保することが目指されています。
- また、現在の航空機は、エンジン、電子システム、航法装置、制御システムなど、多くの複雑な部品やシステムで構成されており、それぞれの部品やシステムが正確に機能し、連携して作動する必要があります。そのため、各部品や統合されたシステムにおいて、安全性と信頼性が確保されていないと、機体の性能や運用に支障が生じる可能性があります。
航空分野の機能安全とサイバーセキュリティ
航空機に求められる機能安全とサイバーセキュリティ規格 航空機の安全性や信頼性を確保するためには、電気電子部品における機能安全やサイバーセキュリティへの対応が極めて重要になります。機能安全は、システムや機器の故障や異常動作から生じるリスクを最小化することを目指し、サイバーセキュリティは航空機の情報システムやネットワークを保護し、サイバー攻撃からの脅威を防ぐことを目的としています。これら両方の側面をカバーするために、様々な規格群が存在します。
機能安全に関しては、航空業界では特にSAE(Society of Automotive Engineers)の規格群が重要な役割を果たしています。以下にいくつかの代表的な規格を挙げます。
ARP4754A:航空機のシステム開発ライフサイクル全体での安全性の考慮を重視し、システムの信頼性と安全性の確保に役立ちます。
ARP4761:システムのハザード分析や安全性評価プロセスに関する手法を提供し、安全な航空機の設計に役立ちます。
DO-254:航空機のハードウェア開発において、ハードウェアの設計、開発、検証、および認証のプロセスを指定し、航空機のソフトウェアの信頼性と安全性を確保するための要件と手法を提供します。主にASIC、FPGAなどのCustom micro-coded componentsやLine Replaceable Unit (LRU)、Circuit Board Assemblies (CBA)が対象となります。
DO-178C:航空機のソフトウェア開発において、ソフトウェアの設計、開発、検証、および認証のプロセスを指定し、航空機のソフトウェアの信頼性と安全性を確保するための要件と手法を提供します。
DO330:ソフトウェアツールの認定に関する標準であり、ツール認定に加えて、ツール運用関係のプロセス及び、ツールの開発者と利用者への要求事項が提供されています。
サイバーセキュリティに関しては、航空業界では以下のような規格やガイドラインが存在します。
DO-326A:航空機のサイバーセキュリティに関する要件とプロセスを提供し、システムのセキュリティリスクの特定と軽減に役立ちます。
DO-356A:航空機のセキュリティ手法のガイドラインを提供します。航空分野の機能安全とサイバーセキュリティ
Advanced Air Mobilityにも安全性やセキュリティは欠かせない
従来の航空機の開発に加えて、電動化や自動化といった航空技術や垂直離着陸などによって実現されるeVTOLや社会課題の解決のための無人航空機などの機体開発及びサービス開発が加速しています。これらの次世代空モビリティに共通して言えることは、従来の航空機同様に、機体や運航管理システムなどの安全性やセキュリティを欠かすことは出来ません。
そのような耐空性に係る基準は、民間標準化団体(SAE、ASTM、RTCA、EUROCAE等)の規格を積極的に活用する方針へと移行しつつある状況であり、従来の航空機に関する国際規格や標準などを参考にして、民間標準化団体が、次世代空モビリティに関する国際規格や標準類の開発を主導しています。新たに航空分野に参入をする組織は、それらの策定状況をウォッチする必要があり、事前に従来の国際規格や標準類を学んでおく必要があります。航空分野の機能安全とサイバーセキュリティ
航空分野に関するサービス
経験豊富なエキスパートによる各種サービスを提供しています。お気軽に Kobe.bajfs@dnv.com までお問合せください。
規格要件などに関するアドバイザリ
ギャップ分析
プロセス構築支援
各種規格に関するトレーニング